布好きのきっかけ 3

私が手作りが好きなのは、数年前に99歳で天寿を全うした、父方の祖母の存在
なしには考えられません。
手作りに限らず、生き方、物の考え方、すべてに於いて影響を受けています。
じつは祖母と私は血の繋がりはないのです。詳しい事は後々。


祖母の日常の生活の中には、掃除や炊事と同じく縫製や編み物や手芸などが常に
ありました。
私が子供の頃は、毎年布団の打ち直し、着物の仕立て直しもしていました。


自分や祖父の洋服も作っていたし、セーターなども編んでいました。
祖父の洋服は、毎年寸法を測り、年齢と共に変わっていく体型や姿勢、動きを
考慮して、季節にあった素材で作っていました。
毛糸で編んだものは、体型が変わったり古くなったら、ほどき洗い、毛糸を足して、
また新たな服に編みなおし、
最後は椅子の背や座布団などのカバーにして最後まで無駄なく使い切っていました。


祖母はちょっとした空き時間やテレビを見ながら必ず何か手を動かしていました。
それは刺繍だったり、繕いものだったり、刺し子だったり。

 祖母が作ったものです。
アクリルたわしはかなり以前から亡くなる前まで毎日編んでいました。
よく見るアクリルたわしは、殆どかぎ針編みで四角い形ですが、祖母は棒針で
編んでいました。
「油汚れも、紙で拭いてからこれで洗うと洗剤は使わなくていいよ。使ったら
よく洗って太陽の下に干すのよ。」
と自分で作ったアクリルたわしをみんなにあげていました。祖母はずっと以前から
エコにも積極的に取り組んでいました。